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牡丹灯籠 第3話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【風鈴】
風鈴は、いつごろ何のために作られたのでしょうか。

昔、中国に「鐸(たく)」という音を出す道具がありました。形はお寺の鐘に似ていますが、外から撞(つ)くのではなく、内側にぶら下がった「舌(ぜつ)」という金属の板を揺らして鳴らしていました。鐸の音には、魔物を追い払う力があると考えられていました。その後、舌の下に短冊などの軽いものをつけて、風が吹くと鳴るようにした「風鐸」が作られました。

これが仏教といっしょに日本に伝わり、いろいろな大きさや材質のものが作られるようになり、名前も「風鈴」になったのです。いつごろ伝わってきたのかはわかっていませんが、鎌倉時代にあったことは確かで、江戸時代にバラエティ豊かに発達しました。