今日の1科学【SOS】
SOSは助けを求める「救難信号」です。どういう言葉の略でしょうか。
1800年代の初めから、電気を使って遠くの人と情報をやり取りする方法が研究されました。「電信」という技術で、初めのうちは、1つの文字に1つの回路が割り当られる(こちらで「A」の回路のスイッチを入れると、向こうで「A」の針が触れる)など、たいへん効率の悪いものでした。
1873年にアメリカのモールスが、スイッチを「短く押す(・)」と「長く押す(-)」の組み合わせで文字を表す「モールス信号」を考えました。たとえば「A」は「・-」です。これで1つの回路で文字を送れるようになり、電信は広く使われるようになりました。
1800年代の終わりに、イタリアのマルコーニが無線電信に成功すると、船にも無線機が積まれ、「・・・- - -・・・」が救難信号に決められました。「・・・」はモールス信号では「S」に、「- - -」は「O」に当たります。こうして、救難信号は「SOS」と呼ばれるようになったのです。SOSは、言葉の略ではなかったんですね。