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塩吹き臼 第5話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【米】
米は、取り入れてから食べるまでに、どんどん名前の変わる農作物です。

田んぼから刈り取ったものを「稲」といいます。脱穀して「藁(わら 茎と葉)」から外すと「籾(もみ 果実)」と呼ばれます。籾摺り(もみすり)をして「籾殻(もみがら)」をはがすと「玄米(げんまい 種子)」という名になります。精米して「糠(ぬか 胚芽と種子の表面)」を削り落とすと「米」と改名します。水を加えて研ぎ、炊くと「飯(めし)」と改称します。稲→籾→玄米→米→飯と、名前が変わるときには、必ず人の手が加えられていることがわかります。

米から外されていくものにも、それぞれ使い道があります。藁は、縄やむしろや堆肥に、籾殻は、枕の中身や果物を運ぶときのクッションに、糠は、糠漬けの糠床や、袋に入れて体を洗う糠袋になります。

日本人は、稲を大切に育て、手間をかけて食べ物にして、食べられない部分も捨てるところなく使ってきました。