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かちかち山 第9話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【こうなったら このコブシで】
マンガでは、ウサギが作戦を立てることをやめて、タヌキと正面から戦おうとしています。そんなことをして、大丈夫なのでしょうか。
両者の体重は、アナウサギが1.5~3㎏、ホンドダヌキが3~5㎏。体を使った戦いでは、体重が大きくものをいうので、あまりに危険な挑戦です。

それより心配なのは、ウサギが植物だけを食べる草食動物、タヌキが動物も植物も食べる雑食動物であることです。ウサギは、タヌキに食べられたりしないのでしょうか!?

タヌキが食べるいちばん大きな動物は、ネズミです。ただし、タヌキはイヌ科なので、肉を噛みちぎるための犬歯が発達しています。人間でいえば「糸切り歯」で、牙とも呼ばれます。この牙で噛まれたら、ウサギも危ないかも!

一方、ウサギは草食動物なので、門歯(前歯)と臼歯(奥歯)が発達しています。門歯で草を噛み切り、臼歯ですりつぶします。ウサギの歯は一生伸び続けるので、ウサギは硬いものを噛んで歯をすり減らし、鋭くしています。この歯で噛まれれば、タヌキもピンチ……!

そんな戦いにならなくて、よかったですね。めでたし、めでたし。