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ヤマタノオロチ 第8話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【8つの首が5対3】
ヤマタノオロチのように、脳が8つもあると、みんなの意見が分かれて、行動するのが大変になりそうです。全員の意見が一致することなどあるのでしょうか。

ある現象の起こりやすさを「確率」といい、分数で表します。たとえば、サイコロの目には1から6までの6つがあるので、どの目が出る確率も6分の1です。

では、8つの頭の意見が一致する確率は、どれほどでしょうか。

いくつかの現象が同時に起きる確率は、それぞれの現象が起きる確率の掛け算で求められます。どの頭も、右か左かを2分の1つの確率で選ぶとすると、全員が右を選ぶのは、「2分の1の確率で起きる現象が、8つ同時に起きたとき」なので、それが起きる確率は「2分の1」を8つかけた「256分の1」になります。

意見が一致するのは「右へ行く」と「左へ行く」の2つのパターンがあるので、一致する確率は、それに2をかけた「128分の1」になります。つまり、ヤマタノオロチに「2つに1つ」を選ぶ機会が128回あるとして、意見が一致するのは、そのうち1回ということです。まあ、滅多に起きないといっていいでしょう。