今日の1科学【チーターのスピード】
チーターはネコ目ネコ科の哺乳類で、陸上動物のなかでは最も速く走れます。そのスピードは、多くの本に「時速113㎞」と書かれています。なぜこんなに、細かい数字で正確にわかっているのでしょうか。
時速113㎞というスピードを実際にどうやって計ったのか、記録は残っていません。ただし、113という数字の意味は想像できます。
イギリスやアメリカには「マイル」という距離の単位があります。1マイルはおよそ1.609㎞で、時速113㎞は、時速70マイルという切りのいい数字になります。
これは僕の推測ですが、おそらく、チーターが走るのを観察した人が、「時速70マイルで走る車と同じぐらい」と感じたか、チーターを追いかけたときに車のスピードメーターが時速70マイルを指していたのではないでしょうか。
最近では、チーターの走る速度を距離とタイムから計算する試みが何度か行われ、時速70㎞から時速110㎞までのいろいろな値が出ています。こんなに大きな違いがあるのは、そのときチーターが全力を出していたとは限らないからではないでしょうか。
野生動物の能力を正確に測るのは、簡単なことではありません。