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三匹の子豚 第9話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【オオカミの肉球】
お礼を言いながら、手を合わせているオオカミの前足をよく見ると、いくつかの指に分かれています。この指の裏側には、肉球があります。
肉球は、脂肪が皮膚に包まれたもので、ネコ目の哺乳類だけにあります。ネコ目には、ネコ科、イヌ科、クマ科などたくさんの動物がいますが、ここではネコ科とイヌ科の肉球の違いに注目しましょう。

ネコ科の動物の肉球は、柔らかく、中に爪が引っ込むようになっています。
ネコやライオンやトラやヒョウなどのネコ科の動物は、獲物にこっそり近づいて、一気に飛びかかり、鋭い爪を突き立てます。このため、足音が立たないように肉球が柔らかくなっていて、爪が地面ですり減ることのないように、普段は肉球のなかに引っ込めています。

イヌ科の動物の肉球は、硬くて、爪は引っ込みません。
イヌやオオカミやジャッカルやコヨーテなどのイヌ科の動物は、群れで長い距離を走って獲物を追いかけ、追い詰めたところで飛びかかるという狩りの仕方をするからです。尖った石や植物のトゲを踏んでもケガをしないように、肉球は固くなっています。地面を強く蹴れるように爪は太くなっていて、引っ込めることはできません。
マンガのオオカミも、硬くて丈夫な肉球を持っていると考えられます。時速134㎞で走れるのも、この肉球のおかげでしょう。