今日の1科学【石焼きいも】
石焼きいもは、ふっくらと甘くて、おいしいですよね。なぜでしょうか。
石焼きいもは、サツマイモを小石のなかに埋めて、小石に熱を加えたものです。こうすると、小石から遠赤外線が放たれ、イモの表面で吸収されて熱に変わります。その熱でサツマイモの内部は、65~70℃になります。これによって、3つのことが起こります。
①イモの水分が水蒸気になり、焼き固められた表面に閉じ込められ、イモがふっくらする。
②イモのデンプンに水蒸気が入り込み、βデンプン(消化できず、味はないが、保存できる)からαデンプン(消化しやすく、おいしいが、保存できない)に変わる。これを糊化という。
③イモに含まれるアミラーゼ(人間の唾液にも含まれる消化酵素)が、デンプンを甘い麦芽糖(ばくがとう)に変える。これを糖化という。
石焼きいもでは、とくに③がよく進みます。だから甘いんですね。