今日の1科学【乾かさないと】
濡れた服を着ていると、寒くなります。これは「水は冷たいから」というだけの理由ではありません。
水に熱を加えると、蒸発して水蒸気になります。これは「水+熱→水蒸気」という反応が起こるということです。この反応は、周囲が乾燥しているなど、別の理由で水が水蒸気になるときも同じです。つまり、水は蒸発するときに、まわりから熱を奪うのです。この熱を「気化熱」といいます。
これは、簡単に実験できます。台所用の温度計の感熱部(先端の金属棒)を、ぬるま湯で濡らしたキッチンペーパーで包んでみましょう。温度計は、ぬるま湯の温度を表示します。これを団扇などで扇ぐと、温度はどんどん下がります。風で水蒸気が吹き飛ばされて蒸発が進み、ぬるま湯は熱を奪われて、温度が下がるのです。
服が濡れたとき「そのうち乾くさ」などと言って、着たままでいる人をときどき見かけますが、その乾くときに体から熱が奪われるのです。夏ならともかく、冬は服が濡れたら、すぐに脱いで乾かしましょう。