今日の1科学【金の卵を産むためのエサ】
金の卵を産むためのエサは、なぜ金でなくてはならないのでしょうか。
普通のニワトリの卵は、黄身が脂肪とタンパク質、白身がタンパク質でできています。どれもニワトリが、エサから体に取り入れたものです。また、殻は炭酸カルシウムという固い物質でできています。
ニワトリは、炭酸カルシウムを取り入れるために、カタツムリの殻や、貝殻や、砂に含まれる石灰石を食べます。このように、卵の材料となる物質は、すべて体の外から取り入れたものです。
そして、卵管という管のなかで、まずヒヨコになる「胚」に黄身がくっついて、それが白身に包まれて、卵殻膜という膜に包まれ、最後に殻が包まれて、卵になって生まれてきます。
金の卵がすべて金でできているとしたら、金の卵を産むニワトリは、その材料となる金を食べる必要があります。早い話が、食べた金が卵の形になって出てくるわけですね。
科学的にはこう考えないと、金の卵の説明がつかないのですが、もちろん昔話の『ジャックと豆の木』に出てくるニワトリは、たぶん普通のエサを食べて金の卵を産む不思議なニワトリなのだろうと思います。