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大きなかぶ 第8話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【大きなカブをどう運ぶ?】
マンガでは、おじいさんは並べた丸太にカブを載せて引っ張っています。こうすると、丸太が転がることで、カブは楽に前に進みます。

このような仕組みを「コロ」といいます。
本当はカブの下に板を敷くのですが、コロの仕組みがよくわかるように、筆吉先生には板を省略して描いてもらいました。
コロの歴史は古く、石器時代から使われていたと考えられています。それ以前は、重い荷物はそりに乗せて地面の上を滑らせていました。ここで、そりの下に丸太を並べれば、ずっと楽に運べることに気づいた人がいて、コロが生まれました。

ところが、コロはたくさんの丸太を必要とするうえに、荷物が通り過ぎた後に残った丸太を、荷物の前まで運ばなければなりません。そこで、丸太より大きな板を回転軸でつなぎ、回転軸が台の下で回る仕組みが考えられました。これが「車輪」で、紀元前3500年ぐらいから使われています。

そりからコロへ、コロから車輪へ。大変な進歩です。人間が工夫を重ねてきたおかげで、われわれの生活はグンと楽になっています。