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ウイリアム・テル 第6話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【当てるための角度】
おととい解説したように、矢は飛んでいるあいだに重力で落ちるので、命中させるには的より上を狙って射る必要があります。

当てるための角度は、2つあります。「少し上を狙うか」「大きく上を狙うか」です。
矢の速度が時速100㎞、距離が10mの場合、少し上を狙うなら3.65度、大きく上を狙うなら86.35度です。この2つの角度には、足すと90度になるという法則があります。

この2つの射方では、矢の飛び方に大きな違いがあります。

3.65度の場合は、ほぼ直線に近い放物線を描いて、0.3607秒後に当たります。水平に射たときは0.36秒後ピッタリなので、0.0007秒だけ長くなるわけです。

86.35度の場合は、高度39.2mまで上がり、5.65秒後に当たります。こちらのほうが実際に跳ぶ距離が長いので、正確に狙うのは難しくなりますが、滞空時間が長く、ほぼ真下に落ちてくるので、モモンガ先生が着地点に移動するのは易しくなります。