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人魚姫 第2話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【泡になって消える】
童話『人魚姫』では、人魚姫は泡になって消えてしまいます。とても悲しい結末ですが、生き物が泡になることなど、あるのでしょうか。

生き物の体は、炭素(鉛筆にも含まれる黒い粉)、水素(燃える気体)、酸素(空気の21%を占める)、窒素(空気の78%を占める)と、鉄やカルシウムなどのミネラルでできています。

生き物が死ぬと、その体は菌類や細菌の働きで分解されて、新しい命を作る材料になります。このとき、炭素は酸素と結びついて二酸化炭素に、また水素と結びついてメタンに、水素は酸素と結びついて水蒸気に、窒素は水素と結びついてアンモニアになります。どれも気体です。

泡とは、水のなかの気体の集まりのことです。
人魚姫がこの仕組みで泡になったかどうかはわかりませんが、生き物が死んで泡になるという現象は、起こり得ることです。