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妖怪大行進 第5話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【尻子玉】
河童は人間の尻子玉を抜くといわれます。「尻子玉」とは、何でしょうか。

『広辞苑』を引くと「肛門にあると想像された玉。河童に抜かれるとふぬけになるといわれる」。う~ん、辞書を引くとかえってよくわからなくなるのは、よくあることですが、これはその典型ですね。だいたい、そんなところに玉があったら、便秘の原因になるのでは?

『世界大百科事典』には、こんな話が載っています。大工の名人の左甚五郎(1594~1651)が、熊本の天草で城を作ったとき、期限に間に合いそうになかったので、たくさんのわら人形を作り、命を吹き込んで工事を手伝わせました。城が完成すると、わら人形の始末に困ったので、川に捨てようとしたところ、わら人形たちが「これから自分たちは何を食べればいいのか」と尋ねました。甚五郎は「人間の尻を食え」と言い、このわら人形たちが河童になったというのです。

なんと、名匠の無責任な発言が「尻子玉」を生み出した!? うーん、ますますわからなくなったような気がします……。