今日の1科学【調理用ラップ】
調理用ラップは、厚さが0.01㎜ぐらいです。たいへん薄いですが、なぜこんなに薄く作れるのでしょう。
調理用ラップは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデンなどでできています。どれも、炭素や水素や塩素が、鎖のように長くつながった丈夫な分子です。これが複雑に絡み合っているので、薄く成形しても、充分な強度を保つことができます。また、温度の変化にも強く、マイナス60℃~150℃でも変質しないので、料理に使えます。
調理用ラップの便利なところは、容器にかぶせてまわりを押さえると、容器にぴったりくっつくことです。これは、物質を作る原子や分子が電気の力で挽き合う「ファンデルワールス力」のためです。小麦粉が指にくっつくのも、石けんやドライアイスが形を保っているのも、ヤモリが壁を歩けるのも、この力です。
調理用ラップにも、いろいろな科学の種があります。