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かぐや姫 第1話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【50万℃】
かぐや姫は、日本最古の物語といわれる『竹取物語』の主人公です。竹取りの翁が見つけた光る竹のなかに入っていました。かぐや姫の光が、竹を透して外に漏れていたのだとしたら、どれほど明るく光っていたことになるのでしょうか。

竹と同じセルロース(炭水化物の一種。植物の体を作る)でできた習字紙で実験したところ、厚さが0.1㎜増えるごとに、透過する光の量が半分になることがわかりました。

竹の厚さを5㎜とすれば、それは0.1㎜の50倍なので、透過する光は「2分の1」を50回かけたものになります。答えは1100兆分の1。逆にかぐや姫は、竹から漏れてきた光の1100兆倍も明るかったことになります。漏れてきた光がロウソク1本と同じ0.02Wだったなら、かぐや姫は220億kW。これは、日本で発電されている電力をすべて光に変えた場合の220倍です。

かぐや姫の大きさで、これほどの光が出せるとしたら、その温度は50万℃!この温度でも燃えなかった竹もすごい、という話になりますね。