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かぐや姫 第4話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【砂金】
かぐや姫が生まれてから、竹取りの翁は金の入った竹を見つけるようになります。金は、竹のなかにどんな形で入っていたのでしょうか。

昔話で「金」というと、「大判小判」というイメージがありますが、大判は1588年に豊臣秀吉が、小判は1595年に徳川家康が作らせたのが最初です。『竹取物語』は、平安時代の850~950年ごろに書かれたと考えられているので、まだ大判小判はありません。

日本の歴史書に初めて金が登場するのは『続日本紀』の「794年に陸奥の国(岩手県)から砂金が献上された」という記事です。砂金とは、金の鉱石が川の浸食作用を受けて、金の粒が河底にたまったものです。それ以来、金は砂金として、また砂金を溶かして固めた「錬金(れんきん)」として、大切にされました。

ここから考えると、『竹取物語』の竹に入っていたのは、砂金か錬金だった可能性が高いのではないでしょうか。