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マッチ売りの少女 第1話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【マッチ】
マッチの棒の先端には、「頭薬(とうやく)」という燃えやすい薬品がついています。また、マッチが入っている箱の横に、「側薬(そくやく)」という薬品のついたザラザラした紙が貼ってあります。これに頭薬を勢いよくこすりつけると、摩擦の熱と、側薬の働きで、頭薬に火がつきます。

この仕組みのマッチが発明されたのは、1800年代の中ごろです。それまで、頭薬には「黄リン(おうりん)」という非常に燃えやすい薬品が使われていて、壁や靴などでこすっても火がつきました。夏の日射でも発火するほど燃えやすく、とても危なかったので、いまのマッチが発明され「安全マッチ」と呼ばれました。

『マッチ売りの少女』が発表されたのは1848年なので、少女が売っていたのは黄リンマッチだと考えられます。