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十二支の始まり 第4話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【モモンガ年】
十二支のことを「干支」ともいいます。両者は同じものでしょうか。

古代中国には、十二支の他にも「十干(じっかん)」という年月や順番の表し方がありました。「甲(こう)、乙(おつ・いつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)」が十干です。

日本では、「世界は木火土金水(もっかどごんすい)の五つでできている」という「五行説」に基づいて、甲を「きのえ(木の兄、という意味)」、乙を「きのと(木の弟、という意味)」、丙を「ひのえ」、丁を「ひのと」、戊を「つちのえ」、己を「つちのと」、庚を「かのえ」、辛を「かのと」、壬を「みずのえ」、癸を「みずのと」と呼びました。

そして、十干と十二支を組み合わせて、その年を表しました。たとえば2018年は、戊戌(ぼじゅつ・つちのといぬ)の年です。正しくはこれが干支ですが、現在では「十二支」のことを「干支」と呼ぶことも多くなっています。

日本や中国では、歴史上の大きな事件を「壬申の乱(672年)」や「辛亥革命(1911年)」など、起きた年の干支で呼ぶことが多いです。兵庫県にある阪神甲子園球場は、1924年の甲子(かっし・きのえね)の年に完成したので、この名前になりました。