今日の1科学【犬猿の仲】
仲が悪いことを「犬猿の仲」といいます。犬と猿は、本当に仲が悪いのでしょうか。
犬は、長く人間といっしょに暮してきました。猿は山のなかで暮らしてきました。すると、犬と猿が出会う場面があるとしたら、「人間が犬を連れて山のなかに入ったとき」ということになります。
人間が犬を飼い始めたのは、狩りの手伝いをさせるためです。そして明治時代まで、猿は毛皮や肉を取るために、狩りの対象になっていました。すると、犬と猿が出会うとき、必ず両者は命がけの敵対関係にあったことになります。犬は盛んに吠えたでしょうし、猿は牙をむき出して犬を威嚇したでしょう。これでは、人間の目に「犬と猿は仲が悪い」と映ったのも仕方がないかも知れません。
つまり、犬と猿はもともと出会う機会がなく、人間があいだに立つことによって、仲が悪くなったと考えられます。