今日の1科学【火打石】
火打石(ひうちいし)とは、昔、火をつけるために使われていた石です。厄除けなどにも効果があるとされ、時代劇には、家を出るときに火打石を打って火花を飛ばす場面が出てきますね。
火打石というと、2つの石をぶつけて火をつける……というイメージですが、そうではありません。火打金(ひうちがね)という鉄の小さな板に、石を打ちつけると、火打金の表面がわずかにはがれて、火花が飛びます。それを火口(ほぐち)という燃えやすいものに移して、マンガで紹介したような方法で、少しずつ大きくしていきます。
火花は、火打金の表面がはがれたものなので、火打石どうしをぶつけても、火花は出ません。「火打石」という石があるではなく、鉄の表面をはがせる硬さの石であればいいわけです。