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幸福の王子 第8話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【7500枚の金を配った】
ツバメとモモンガ先生とエイコは、協力して7500枚の金を配りました。これには、どのくらいの時間がかかったのでしょうか?

マンガでは、ツバメは1枚の金をくわえ、モモンガ先生は3枚の金を持っています。ツバメとモモンガ先生が同じ速さで飛ぶとしたら、モモンガ先生が協力するだけでも、ツバメの労力は4分の1になったはずです。これに人間のエイコの力が加わったら?

マンガでは、エイコは1枚の金しか持っていませんが、白衣のポケットが少し膨らんでいるので、ここにも入れていたと考えましょう。一辺2㎝の正方形で、厚さが1㎜の金は、1枚7.7gです。左右のポケットに500gずつ入っているとしたら、エイコが一度に持てる金は130枚になります。
エイコがツバメの飛行速度の10分の1の速さで歩くとしたら、ツバメが1枚を運ぶあいだに、モモンガ先生は3枚、エイコは13枚を運べることになります。つまり、ツバメの労力は17分の1に! ツバメだけだと150日かかる予定でしたが、これが8日と20時間に!

この計算には寝たり休んだりする時間が入っていないので、実際には1ヵ月ぐらいで終わったのではないでしょうか。みんなで力を合わせるって、素晴らしいですね。