今日の1科学【水の抵抗】
水が物体の動きを邪魔しようとする力を「水の抵抗」といいます。水の抵抗の大きさは、物体の「形」と「水にぶつかる断面積」と「速度」によって決まります。
水が後ろへ流れやすい形をしていると、抵抗は小さくなります。そのような形を「流線型」といいますが、魚もウミガメもそのカラダは流線型だから、スイスイと速く泳げるんですね。
また、抵抗の大きさは「速度×速度」に比例します。したがって、速度が2倍、3倍、4倍……になると、抵抗は4倍、9倍、16倍……と急激に大きくなります。人間でも魚でも泳ぐスピードに限界があるのはこのためです。
空気にも抵抗がありますが、水の抵抗に比べると800分の1くらい。そう考えると、水の抵抗がどれだけ大きいか、わかりますね。普通の体格の大人がウミガメにまたがった姿勢で時速20㎞で進んだ場合、抵抗の大きさは600㎏ほどにもなります。
流線形のウミガメは抵抗が小さいけれど、またがった浦島太郎には大きな抵抗がかかるうえに、進む力はウミガメにしかないので、マンガのように水中をぐるぐる回ってしまうことになります。