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浦島太郎 第5話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【なぜ海では火が使えない?】
モモンガ先生が、竜宮城で食べられるのは「生魚と海藻くらい」と言っていますが、それは海では火が使えないからです。

物が燃えるには、「燃えるもの」と「酸素」と「一定の温度」が必要です。水中には酸素が少ししかないうえに、水に冷やされて燃える温度に達しないから、物は燃えません。火事のときに水をかけるのも、それによって火元の温度を下げれば火が消えるからです。

では、水中では絶対に火が使えないかというと、そんなことはありません。ガスに酸素を混ぜて吹き出せば、水のなかでも炎を作ることはできます。また、ダイナマイトや花火は、火薬に酸素がたくさん含まれているので、火をつける方法さえ工夫すれば、水中でも爆発するし、燃えます。これらの場合は、火の勢いが強いので、燃える温度が保たれるんですね。

もし竜宮城がこれらの技術を取り入れていれば、浦島太郎には焼魚や煮魚など火を使った料理が出されたかもしれません。気になるところです。