1話目から読む

三匹の子豚 第1話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【オオカミ】
オオカミは、ネコ目イヌ科の哺乳類です。頭からお尻までの「頭胴長」は100~160㎝、体重は25~50㎏。昔から人間に恐れられてきた肉食動物で、昔話によく登場します。

オオカミの仲間分けには、いろいろな説があります。
そのなかで、日本オオカミ協会の説を要約して紹介しましょう。犬は、生物学ではイエイヌと呼ばれ、タイリクオオカミを家畜化したものです。

一般的に「オオカミ」呼ばれるのは、ハイイロオオカミです。
そのなかにいくつかの種類があり、北アメリカ大陸の北西部にはシンリンオオカミ、北アメリカ大陸のいちばん北にはホッキョクオオカミが住んでいます。ヨーロッパからユーラシアにかけては、タイリクオオカミが住んでいます。
日本にも、昔は北海道にエゾオオカミが、本州から南にニホンオオカミが住んでいました。どちらもタイリクオオカミの仲間で、人間による狩りや、森や草原を切り開いたことによる環境の悪化や、伝染病のために1900年頃に絶滅しました。
『三匹のこぶた』はイギリスの昔話です。イギリスでは、家畜を守るためにタイリクオオカミが盛んに退治され、1800年代に絶滅しました。

オオカミは怖い動物ですが、草食動物が増えすぎて、森や草原の植物が食べ尽くされるのを防いでいます。どんな生き物も、生態系のなかで大切な役割を果たしています。絶滅してよい生き物はいません。