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屁っぴり嫁ご 第4話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【完全に科学を超えている】
屁っぴり嫁ごは、昔話では、船の帆に屁を当てて動かしましたが、マンガでは思い切って、船をぶっ飛ばすことにしました。これには、どんなおならが必要なのでしょうか。

まず、船と荷物の重さを求めてみましょう。船には見えない部分まで推定すると、50俵ぐらいの荷物が積まれているようです。米俵は1俵で60㎏の重さがあるので、荷物は3000㎏=3tです。
現代の船は、自分の7倍の重さの荷物を運ぶことができますが、昔の船なので、この比率を「3倍」と考えて、船の重さを1tと仮定しましょう。すると、合計で4tです。

また、マンガを見ると、船は海面から20度ぐらいの角度で吹き飛ばされていて、軽く1㎞は飛んでいきそうです。すると、この船は秒速124m=時速445㎞で飛ばされたことになります。
そして、船の帆は、縦3m、横2mほどに見えます。この面積の帆におならを当てて、3tの船を秒速124mで吹き飛ばしたと考えましょう。
嫁ごが、このおならを1秒で放ったとすれば、おならの量は136万L、帆に当たる瞬間のスピードは風速227m。これだけの猛風を受けても、壊れずに飛んで行ったのですから、船も驚異的に頑丈です。

おならもこれだけの体積になると、重さは1.6tになります。嫁ごの体重を300倍ほど上回っていますね。モモンガ先生が「完全に科学を超えている」と驚いているのは、そういうわけです。