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アラジンと魔法のランプ 第6話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【魔法のじゅうたん】
魔法のじゅうたんは、『アラジンと魔法のランプ』には出てきませんが、『千夜一夜物語』の他の物語に出てくるので、マンガに登場させました。
アニメや映画などでは、パタパタ波打っていることが多いようです。おそらく、旗やマントが風にはためくところからイメージされたのだろうと思いますが、では、なぜ旗やマントは風にはためくのでしょうか。

物体に風や水の流れが当たると、その後ろに渦ができます。人間や動物が空気や水のなかで動いても同じです。物体の大きさや、流れの速度などの条件がそろうと、渦は上下や左右に、交互にできます。このような渦は、発見者の名前を取って「カルマン渦」といいます。

お風呂のなかで、腕をゆっくりと動かしてみましょう。速度がちょうどよければ、腕が上下や左右にブルブル震えるのがわかります。これもカルマン渦のためです。木枯らしや台風の風が電線に当たると、ピューピュー音がしますが、これもカルマン渦によるものです。笛が鳴るのも、バットを振るとブンッという音がするのも、カルマン渦が起こす現象です。

旗に風が当たったときも、カルマン渦が発生します。すでに書いたように、カルマン渦は、上下や左右に、交互に発生するので、旗やマントははためくのです。