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鉢かづき 第1話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【鉢かづき】
『鉢かづき』は、鎌倉時代の終わりから作られ始め、江戸時代にまとめられた『御伽草子(おとぎぞうし)』の一編で、大阪の寝屋川市にもおとぎ話として伝わっています。
長者(お金持ち)の娘が、母親が亡くなる直前に、大きな木の鉢をかぶせられて、大変な苦労をしますが、貴族の青年に見初められて、取れた鉢のなかから宝物と美しい素顔が現れた……というお話です。

『鉢かづき』の「かづき」とは、どういう意味でしょうか?
昔の言葉を集めた古語辞典には、次の3つの意味が書いてあります。

①頭巾や笠などをかぶる
②褒美をもらう
③責任や運命を背負う

なんと! 鉢をかぶり、苦労を背負い、宝物という褒美をもらった鉢かづき姫は、「かづく」の3つの意味を、すべてその身で経験しているではありませんか。
辞書を引くと、こういう意外な発見があるから面白いですね。