今日の1科学【空気の浮力】
鉢かづき姫は、亡くなった母親のもとに行こうとして川に飛び込みましたが、鉢のおかげで、沈むことなく助かりました。これは『御伽草子』にもあるエピソードです。
姫が沈まなかったのは、鉢に空気が入っていたからだと考えられます。
科学的に正しく表現すると「空気に働く水の浮力」のおかげということになりますが、一般的には「空気の浮力」と表現することも多いので、モモンガ先生のセリフもそのようにしています。
水に沈んだ物体には、水の浮力が働きます。浮力の強さは沈んだ物体の体積だけで決まり、1Lあたり1㎏です。物体の材質には関係ありません。鉄でも、木でも、体積が1Lなら、1㎏の浮力を受けます。ただし、鉄は1Lあたり7.9㎏の重さがあり、木は1Lあたり300~900gの重さしかないので、鉄は沈み、木は浮くわけです。
空気の1Lあたりの重さは1.2gです。自分の重さが水の浮力よりずっと小さいので、他の物を支えて浮かぶことができます。