今日の1科学【般若心経】
『般若心経(はんにゃしんぎょう)』は、仏教の精髄を記した経典で、タイトルも入れて276文字しかありません。
仏教はもともとインドで生まれたので、『般若心経』も当時インドで使われた「サンスクリット文字」で書かれていました。それを唐の玄奘(げんじょう)というお坊さんが、インドまで旅して、他のたくさんの経典といっしょに持ち帰り、中国語に翻訳しました。それが日本にも伝わってきました。
玄奘の旅は、西暦629年から645年にかけて行われ、900年後の明の時代に『西遊記』という伝奇小説になりました。
そのなかで、玄奘は三蔵法師という名前で登場し、孫悟空、沙悟浄、猪八戒の3人に守られ、怪物たちと戦いながら、インドを目指します。この物語の世界観で考えれば、『般若心経』が日本にあるのも孫悟空たちのおかげということになります。