今日の1科学【塩吹き臼】
『塩吹き臼』は、「海の水はなぜ塩辛いか」を説明する日本の民話で、柳田国男が収集したものが有名です。今日のマンガでは、主に『塩吹き臼』の前半が説明されていますが、後半はこんなお話です。
弟が石臼からいろんな物を出してお金持ちになると、ケチな兄さんがやってきて、まんじゅうと石臼を盗み、船で海に逃げます。まんじゅうを食べすぎたので、塩辛いものが欲しくなり、「塩出ろ、塩出ろ」と言いながら石臼を回すと、塩が出ました。ところが、兄さんは止め方(出したいときは右に、止めたいときは左に回す)を知らなかったので、塩がどんどん出て船いっぱいになり、兄さんもろとも沈んでしまいました。その石臼は、いまでも塩を出し続けています。だから、海の水は塩辛いのです。
ギリシャや北ヨーロッパにもよく似た話があります。そこでも、塩を出し続けるのは、なぜか臼です。石臼は、小麦などを粉にするための道具で、上から小麦を入れて回すと、上下2段になった臼のあいだから、小麦粉が出て来ます。ここから、臼から塩が出てくるシーンがイメージされたのかも知れません。
あ、それから、よく尋ねられるのですが、民俗学者の柳田国男(やなぎた・くにお 1875~1962)は、僕の親戚ではありません。