今日の1科学【割ってしまえ】
皿や茶わんの多くは、粘土を焼いて作った陶器(焼き物)です。床に落としたりすると割れますが、陶器はなぜ割れやすいのでしょうか。
粘土は、焼くと一部が溶けて、冷えると固まり、粘土同士がしっかり結びつきます。このため硬くなり、力をかけても変形しません。でもこれは「しっかり結びついているために、変形する余裕がない」ということにもなります。このため、ぶつけたり落としたりすると、その部分だけに衝撃が集中して、割れてしまいます。
地球上で最も硬いダイヤモンドも、鉄の台に載せて、鉄のハンマーで叩くと割れます。これも結びつきが強すぎて、変形する余裕がなく、衝撃が一ヵ所に集中するからです。
このように、硬いけれども衝撃に弱いことを「脆い」といいます。