今日の１科学【遺伝的にあり得ない】
マンガのなかで、中将の長男が「息子が鉢かづき姫と結婚したら、鉢をかぶった子どもが生まれるのでは」と心配するのに対し、モモンガ先生は「鉢は後天的に付けられたものだから遺伝的にはあり得ない」と否定します。
ここでいう「後天的」とはどういう意味でしょうか。
生き物の体の形や性質を「形質」といいます。
身長が1～2ｍで、まっすぐ立って2本の足で歩くのは、ヒトという生き物の形質です。一人ひとりの人間も、まぶたが二重だったり、走るのが速かったりなど、それぞれの形質を持っています。
形質には、生まれつき持っている「先天的形質」と、生まれてからの経験で身につく「後天的形質」があります。
先天的形質のなかには、髪や肌の色や、顔の特徴などのように、親から子どもに受け継がれるものがあります。親の形質が子どもに伝わることを「遺伝」といいます。
練習してスポーツがうまくなったり、勉強して知識を身につけたりするのは後天的形質なので、遺伝することはありません。まして、頭に鉢をかぶっているのは、形質ですらないので、間違っても遺伝しません。
