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ヘンゼルとグレーテル 第9話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【太らせてから食べる】
『ヘンゼルとグレーテル』で、魔法使いはヘンゼルを太らせてから食べようと、毎日たくさんのごちそうを食べさせました。おいしいものを食べるための方法として、これは正しいのでしょうか?

哺乳類や鳥類のように、体温を一定に保つことのできる動物を「恒温動物」といいます。その働きを持たず、気温が下がると体温も下がってしまうのが「変温動物」で、爬虫類や両生類や魚類がこれに含まれます。

人間も哺乳類なので恒温動物です。恒温動物は、体温を保つためなどにたくさんのエネルギーを使うので、食べた養分の77%を呼吸で消費してしまいます。また、21%を糞として排出します。この結果、体の成長に使えるのは2%でしかありません。

つまり、ヘンゼルは、食べたごちそうの20%=50分の1しか太らないわけですね。魔法使いは、ヘンゼルに食べさせるごちそうを、自分で食べたほうがよかったのではないでしょうか。もちろん、ヘンゼルが、それらのごちそうを犠牲にしても構わないほどおいしければ別ですが。