今日の1科学【素敵な求婚者】
かぐや姫に、5人の貴族や皇族が結婚を申し込みます。彼らは、どれほど身分が高かったのでしょうか。
平安時代の政治の仕組みを「律令制」といいます。これは「律」や「令」という決まりを作り、みんなでそれを守ろうという仕組みです。天皇も「律」や「令」に従わなければなりませんでした。律令制では、議定官が話し合って決めたことを、天皇が裁可(さいか・それでよいと認めること)し、役人たちが実行しました。
議場官には、身分の高い順に、太政大臣、左大臣、右大臣、大納言、中納言、参議がいます。このうち、上位の3つの官職には1人ずつしか任命されないので、かぐや姫に求婚した右大臣は、国の最高機関のなかで3番目に偉い人だったわけです。大納言の定員は2人、中納言は3人なので、大伴の大納言も、石上(いそのかみ)の中納言も、現在の国務大臣クラスの人たちだったことになります。
また、皇子(みこ)は天皇の息子なので、石作(いしづくり)の皇子と、車持(くらもち)の皇子は、彼らとは別格に身分が高かったことになります。