今日の1科学【底の丸いお椀】
一寸法師はお椀を船にして川を上ったと語り伝えられていますが、科学的に考えると、これは相当キケンな選択です。
一般的な船の底は、前から見ると、だいたい四角い形をしています。このおかげで、たとえば左に傾くと、船底の左側が深く水に沈み込みますが、その分、水の浮力も強く働いて、左側が持ち上がります。右に傾いたときも、船底の右側が沈み、また浮力で持ち上がります。こうして、どちらに傾いても自然に元の体勢に戻るんですね。
これに対して、底の丸いお椀は、傾いたときに、どこも深く沈み込まないので、体勢を立て直すことができません。このため、バランスが崩れると、簡単に転覆します。とくに一寸法師の場合は、長いハシがバランスを崩す要因になり、とっても危ない!
何かを船にするときは、底の平らなものを選びましょう。