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北風と太陽 第4話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【北風は太陽から生まれた】
マンガでは、風が吹く理由のうち、もっとも基本的なものを説明しています。この他にも、いろいろな理由で風は吹きます。

たとえば、冬になると、太陽の光が弱くなって、大陸も海も温度が下がります。ところが、海は大陸よりも冷めにくいので、冬は海が大陸より暖かくなります。このため、海に上昇気流が生まれて、大陸から海へ風が吹きます。これが、日本で冬に吹く北西の風です。このように、決まった季節に吹く風を「季節風」といいます。

また、春から秋にかけて、フィリピンの東では、海の上の空気が太陽の熱で温められて、上昇気流が起こります。上空は空気が薄いので、上昇した空気は膨らみます。空気には、膨らむと温度が下がる性質があるので、上昇気流のなかの水蒸気が冷やされて水の粒になります。水蒸気は、水になるときに熱を出しますから、その熱で温められて、上昇気流はますます強くなります。こうして大きく発達していくのが台風です。

風が吹く理由にはいろいろありますが、どの場合も、太陽が大きな役割を果たしています。