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かもとりごんべえ 第4話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【アワの茎で飛ばされる】
ごんべえは、アワの茎が縄で曲げられた状態から、元に戻ろうとする力で、はるか遠くまで飛ばされました。このような力を科学では「弾性力」といいます。日常生活では「反発力」などともいいます。
人間をこんなに遠くまで飛ばすとは、アワの茎はどれほどの弾性力を持っていたのでしょうか。

アワ畑のある田園地帯から、傘屋のある町まで10㎞あったと考えましょう。
地球上で物体を10㎞飛ばすには、最低でも時速1130㎞で発射する必要があります。ごんべえは、東海道新幹線(最高時速285㎞)の4倍近いスピードで打ち出されたことになります。

そして、ごんべえの体重を60㎏、アワの茎の「ごんべえの乗った部分」が、まっすぐ伸びるまでに5m動いたとすると、アワの茎が発揮した弾性力は120tです。

これはごんべえの体重の2000倍、つまり2000Gです。人間は10G以上の力を受けると失神するといわれますが、その200倍に耐えたわけですね。この体力に、120tの弾性力を持つアワを生み出した頭脳。すごい人物です(笑)。