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大きなかぶ 第2話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【一瞬で大きくなる】
モモンガ先生が作った不思議な薬は、カブを一瞬で大きくしました。こんなことが実際に起こるのでしょうか。

生き物の体は「細胞」が集まってできています。生き物の体の大きさは、細胞の大きさと数で決まります(体が1個だけの細胞でできている生き物もいます)。

大きな植物の例として、アトランティックジャイアントというカボチャがあります。大きさは1mを超え、世界最大のものは重さ800㎏。生物学者がこのアトランティックジャイアントについて調べたところ、細胞の大きさが普通のカボチャの2倍もあったそうです。すると体積は2×2×2=8倍。全体の重さは普通のカボチャの100倍以上ですから、細胞の数も多いことになります。

アトランティックジャイアントは、親から子どもへ姿かたちや性質を伝える「遺伝子」が、他のカボチャとは違うことがわかっています。その遺伝子のなかに、大きさの情報も入っていると考えられています。
モモンガ先生の薬も、カブの遺伝子に影響を与えて、細胞を大きくし、数を増やしたのかもしれません。それでも植物が大きくなるには時間がかかりますから、一瞬で大きくなったのは、もう科学を超えていますね。