1話目から読む

塩吹き臼 第8話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【臼は海の底へ】
『塩吹き臼』では、「海の水が塩辛いのは、臼が海の底で塩を出し続けているから」ということになっています。実際には、なぜ塩辛いのでしょうか。

陸地の岩には、わずかに塩が含まれています。川は、岩を割ったり削ったりしながら、海へ運びます。そのとき、塩も水に溶けて海へ運ばれます。水は太陽の熱で蒸発しますが、塩はそのまま海に残ります。地球が海と陸地に分かれた40億年前から、これが繰り返され、海水に含まれる塩は、現在の3.5%という濃度になったのです。

流れ出す川のない湖でも、同じことが起こります。面積が世界一のカスピ海は、塩水のたまった「塩水湖」です。アラビア半島にある死海は、濃度30%の塩水湖です。海水の濃さが3.5%ですから、その8倍を超えます。人間がプカプカ浮かび、魚も住めません。