今日の1科学【本当にお城がある】
マンガでは、雲の上にお城があり、みんな雲の上に立っています。こんなことが可能なのでしょうか。
雲は、小さな水や氷の粒が集まったものです。水や氷なのに、空に浮かんでいられるのは、雲のなかでは「上昇気流」が吹いているからです。上昇気流は、下から上に向かって吹く風で、水や氷の粒はその風の力で支えられています。
雲は地上から見ると、綿のようなかたまりに見えますが、近くで見ると、霧のようなものです。とてもその上に乗ることはできません。
では、上昇気流の力で、人間を支えることはできないのでしょうか。これができるなら、人間も雲といっしょに浮いていられることになりますよね。
飛行機から落ちて、地上に迫ったらパラシュートを開く「スカイダイビング」というスポーツがあります。落ちる速度は、身長や体重にもよりますが、腹ばいになったときで時速200㎞だそうです。ということは、時速200㎞の上昇気流が吹いていれば、腹ばいになって雲に乗れることになります。
しかし、それは風速に直すと55m! 雲のなかで吹いている上昇気流は風速1~10mです。風速55mもの上昇気流が吹いたら、雲など吹き飛ばされてしまうでしょう。
残念ながら、人間が雲に乗るのは不可能なようです。でも、僕は空の雲を見上げるたびに、「雲に乗ってみたいなあ」と思ってしまいます。