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ウイリアム・テル 第5話

柳田理科雄のちょこっと解説!

柳田理科雄

今日の1科学【矢の長さ】
エイコは、「モモンガ先生の頭に乗せたリンゴを10mの距離から射貫く」という難題を、長さ10mの矢を射ることで切り抜けようとします。
まさに科学ではなく「とんち」ですが、アーチェリーのルールを調べて、驚きました。なんと、矢の長さに規定がありません!

すると、なぜみんなエイコの作戦を実行しないのでしょうか?

アーチェリーの矢は、1mあたり25gぐらいです。アーチェリーにはいくつかの競技がありますが、距離はいちばん短くて30m。この的に届く長さ30mの矢は、重さが750gになります。

これ自体は大したことはありませんが、長いものの端を持って支えるには、テコの原理で大きな力が必要になります。アーチェリーのフォームで、長さ30m、重さ750gの矢を支えるには、両手はそれぞれ15㎏ぐらいの力を出さなければなりません。
だから誰もやらないのでしょうか? いやいや、その前に、スポーツマンシップに反しますね。